BRAND NEW SONG 布川敏和 BLコミック
「……え……」。柚月は涙で濡れた瞳を湊に向ける。惣司は倒れている華南を覗きこんで聞く。抗議の言葉は、荒々しい口づけに飲み込まれ、鼻から自分でも嫌になるくらい甘い声が出るばかりだ。
なまめかしくも悩ましいまなざしに心臓を射抜かれた次の瞬間、待ちかまえたように体ごと引き寄せられて唇をふさがれる。
耳元で囁くバリトンが甘く掠れるのはいいのだが、非常に苦しい体勢を強いられている雪貴はそれどころではなく、必死に龍之介を叩いて腕を緩めるように懇願する。何故『鬼の子』なんかに声をかけるのかと。
実際には、俺はなすがままだった。
喉に掛る声が、笑いを含んでいる。相手は捕らえたままの俺の手をさらに後ろに捩じ上げ、もう一方も同じようにするとそのまま何かで縛り上げた。京はただ連の制服を掴んで引っ張りながら、同じ言葉を繰り返すしかできなかった。互いの鼻がくっつきそうなところで、腹筋をフル活用して静止して、そのまま十秒我慢。「承知の上の行為だったと?」。「好きなんだ」。
飛の切れ長の瞳に、危険な光が灯った。「なんだと?」。夢で見た弘巳に逆らうこともできず受け入れたはずのキスが、いつの間に亜生のそれに変わってしまったのか自覚もなくて、けれど甘やかされるみたいな所作がうれしくて途中で自分から積極的に求めてしまったことには気づいていたから、なおさら後悔した。「ああ?」。「わかっとる。けど、あらためて言葉にしてもらうと嬉しいもんやねん。あれが、お前の剥き出しの気持ちやねんな?」。「柊、力抜いて」。低くつぶやいたかと思えば、二の腕を掴まれて引き寄せられた。
ボーイズラブ小説作品紹介
坂本響は「お父さんにしたいナンバーワン」。男女問わず懐かれる超いやし系の響は、抱きつかれる日々を送っていた。そんなある日、響は自分を見つめ、後をつけてくるアヤしい人物を発見。なんと同じ高校の、それも一年先輩の竜だった。竜も、響の友人たちのように抱きついたり、撫でてもらったりして仲よくなりたい……と言うのだ。「ホモじゃない」と、可愛いカオで竜は否定するが……。
タイトル:スローステップがお似合い1
著 者 名:高月まつり
レーベル:スローステップがお似合い
発 行 元:オークラ出版
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