うたばん 川野直輝 BL小説


強く手を掴まれて、痛い…と顔を顰(しか)めた。光の第一声は、妙な照れ笑いである。それが一体何だというのだ。二人は、齧りかけの焼き芋を握ったままの腕でお互いを抱きしめ、そしてやっぱり焼き芋の味がする甘いキスを交わした……。「五分くらい」。僕は持て余している熱を司野に移したくて、それに応えた。「じゃあ、名前を教えろ。呼んでやる」。

目を閉じる……なんて、思いつきもしなかった。

少し下がって、春名が検分するように英一の姿を眺める。「ああ……ほんとだな。悪(わり)ぃ」。だがあいつだって知りはすまい、実はそれがいつからか、だなんてことは。(やば……)だが、落ちる、と思ったその瞬間に、江南は俺を解放してくれた。そこへ持ってきて、息もできないような深いキス。身体の中を宝の熱く大きいもので擦られる痛みと苦しさに、芙由希は悲鳴をあげた。

胸のつかえがひとつ取れたようですっきりとして、伊央はジーパンとトランクスを脱いだ。突然の拒絶の理由が、彼にはわからないようだった。「ちぇっ、残念」。「まだまだ、力が足りないな」。

ズッ、と入ってきたのはたぶん嶋田の指。だがいくら押し返そうとしても、ユースフの身体はびくともしない。唇が離れた一瞬のスキを縫って、俺は言った。「んー…トモを抱いていると、気持ちいい……」。「俺のファスナー、下ろしてくれ」。肘から先のない腕が、のたのたと振り回される。

なだめるように、八紘は大日向の腕に手をかけた。キドゥは、ハーコンの腕を、忌々しげに振り払った。


ボーイズラブ小説作品紹介


「今夜は部屋も取ってありますから、二人で楽しみましょう……」。榊原の本心を知りながらも、誘いを拒めずホテルのラウンジで会ったトオルは、突然の言葉に大きく動揺する。しかし、諦めさせるためには仕方がないと、榊原に言われるまま、ホテルの部屋へ一緒に行くことに同意して……。偶然、ラウンジでトオルと出くわした加賀から連絡を受けた飯島は、慌ててホテルに駆けつけるが――。

タイトル:終わらない週末トラブルメーカー
著 者 名:有馬さつき
レーベル:シフォンノベルズ
発 行 元:講談社

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