慶應義塾大学 布川敏和 ボーイズラブ文庫
いきなりキスをするなんて、鈴鹿の身代わりにされたとしか伊央には考えられない。ニヤリと不敵に笑う男を睨みつける。惣司は倒れている華南を覗きこんで聞く。もう二度とあいつのことなんか信用するもんか。彼が男で、自分が男であること?実はそんなことではなかった。今までの信長の行状を知っているだけに、言っても無駄だと悟ったのだろう。
剣は根本近くから折れ、何の役にも立たない。あまりのことに、頭の中が真っ白になる。男相手には不適切な発言である。「そ……それ……は」。
ゆったりと、江南の胸にもたれかかる。と、自分から誘ったのに、恥ずかしくなって身体がかっと熱くなった。途端に眉間を狭めた龍之介に焦り、雪貴はつい正直に言ってしまう。腕の中で目を閉じている光はまだあどけなくて、罪悪感にズキリと胸が痛む。絶対的な優位に立つ獣に向かった時の、怯懦の声。「……ああ、でも、やっと喋ったな。ショックで口がきけなくなったのかと思って、心配した」。
京はただ連の制服を掴んで引っ張りながら、同じ言葉を繰り返すしかできなかった。零一郎は汗で額に張りついた髪をそっと指で剥がして、光の柔らかな首筋にキスをする。ハッと顔を上げた貴一の前に、あまり質のよくない紙に刷られた、新聞らしき薄紙の束が差し出される。「なにって、ちょうどいいところに、真崎のケツがあるからさ。手持ち無沙汰だから、撫でてみたんだけど」。目の色が、さっきとは完全に違っている。宝の体温や呼吸まではっきり感じられるぐらい距離が縮まった時、芙由希の身体がふわりと浮きあがる。目の前に迫ったネクタイの柄は、今日はキティちゃんだった…。
まるで子供みたいなたわいない行為のはずなのに、|酷《ひど》くエロティックなことをされているような気分になってきた。
女子どころか、男子まで大騒ぎである。化物の鋭い牙のような歯でまともに喰いつかれたら、命の保証はない。
ボーイズラブ小説作品紹介
のんきな大学生活を送る奏は、一浪一留で23歳にして未だ大学三年生。ところが、下着メーカーの社長である父が病気で倒れたことから、次期社長として研修を受けさせられることに。しかもその研修係は、中学時代の家庭教師で、密かに恋心を抱いていた相手、柏谷で……。8年ぶりに再会した柏谷のスパルタ指導のもと、奏の社長修業は前途多難!? 書き下ろしは、デザイナーの片山とその秘書・トリーニのエロティック・ラブ。
タイトル:素肌をつつんで
著 者 名:浅見茉莉
レーベル:アクア文庫
発 行 元:二見書房
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布川敏和の最新関連情報
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