トキクラ 山口達也 BLコミック
最新号で身近にいるイイ男を紹介するという企画があって、そこに元浦も登場しているのだ。
否、そんな贅沢は言わないから、せめて身長だけでも分けてはくれまいかと真剣に思う。焦点の定まらぬ瞳が、今にもまつ毛がふれそうなほど間近に迫る。アブドルは袋の口をわずかに開け、指先を突っ込んだ。「だって、幸太郎さん以外の相手とはダメなんでしょ?じゃあ、幸太郎さんだったらいいわけだよね」。そこにいたのは、まさしくジェレミーその人だった。怒っている理由はわからないが、とりあえず頷いて彼を部屋に入れた。
歯列をなぞられ、上顎を撫でさすられ、舌先に軽く歯を立てられる。「わたしは、こういう男です……」。「……悪かったよ」。同じ兄弟でも基樹と違うと嫌というほど解っていたはずだったのに、ちょっとちやほやされたらその気になってしまうなんてどうしようもないと京は思う。手を差し出しながら、良心の痛む自分自身を誤魔化(ごまか)そうとするあまり、よせばいいのに余計な軽口が飛び出してしまう。それで、キスシーンは終わるはずだった。つい何日か前に真剣な顔で、べろちゅうしてもいいかと訊ねたが、無論笑顔で却下された。
「なんだそれは、どういう……」。今まで幾度となく、自分はこんな視線を向けられてきた。「ふざけた野郎だ」。「たとえばさぁ。英俊につきあっている人がいたとして、その人以外にキスするのって、どういう時かなあ?」。
苦しくて、鼻からどうにか漏らす息が、変に甘い声になって抜けた。違う。炎に落とした粉を見た瞬間、ハーコンは口中で罵った。肩口に熱い吐息を感じて視線をそこにやると、心の顔が首筋に埋められている。「…トモ、キスしてもいい?」。俺は荒い息をつくのがやっとで、言葉を発することなど、とてもできはしない。ぴったりとした薄い衣装の下は、痩躯と言って良いだろう。
だめだと言われると、余計にムキになるのが楊虎の欠点である。バスタオルで身体を拭きながら、どうしようかと考えたが、ないものはしかたがない。
ボーイズラブ小説作品紹介
「バ、バージン?って誰が?」。「トオルのことだよな、当然……」。飯島は黙ってうなずいた。「ただ並んで一緒に寝てるだけなのか?」。加賀の声には呆れと心配が混ざっていた。「だから睡眠不足なわけ?悶々として眠れないから、仕事中に寝ちゃったわけ?」。追い打ちをかけるようなロイスの発言に、飯島はぶっきらぼうに答えた。「そうだよ、悪かったな」。
タイトル:終わらない週末パーティナイト
著 者 名:有馬さつき
レーベル:B−cube
発 行 元:講談社
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